ヨーロッパ最大の送電事業者 RTEと共に、エネルギー転換とオープンソース イノベーションを促進するイニシアチブ LF ENERGYを開始
2018年7月12日サンフランシスコ発 – オープンソース ソフトウェアが自動車、電気通信、金融サービス、ヘルスケアを変えたように、世界中のエネルギー ミックスの技術イノベーションと変革の加速をめざし、The Linux Foundationは、ヨーロッパ最大の送電事業者であるRTEとその他の組織の支援のもと「LF Energy」の設立を発表しました。
LF Energyは、システム オペレーター向けのスマート アシスタントからスマート グリッド コントロール ソフトウェアまで、あらゆるものを進化させるイニシアチブの一環として、The Linux Foundationがホストする4件の新プロジェクトを迎え入れます。
LF Energyは、エネルギーと電力部門におけるマルチベンダー コラボレーションとオープンソースの進歩をサポート・維持する統括組織で、バランスのとれたエネルギー使用と経済的価値に不可欠な情報通信技術 (ICT) を加速します。
LF Energyのエグゼクティブ ディレクターであるShuli Goodmanは、次のように述べています。
「複雑で多面的なグローバル エネルギー市場は急速に進化しており、私たちは変化への対応だけでなく今まで以上に迅速に行動することが求められます。企業、国、エンドユーザー全体でこれらの技術を開発する共同のオープンソース アプローチは、再生可能エネルギー、パワー エレクトロニクス、電気モビリティなど、それぞれの目標を達成するために必要なイノベーションと、エネルギー部門全体の迅速なデジタル化を提供します。」
LF Energyのメンバー企業は、グリッドの近代化と保護をしながら、電気モビリティ、コネクティッド センサー / デバイスへの移行を含むエネルギー転換に関する情報を伝え促進することを目指しています。
The Linux Foundationのエグゼクティブ ディレクターであるJim Zemlinは、次のように述べています。
「LF Energyの立ち上げに興奮するとともに、RTE、欧州送電系統運用者ネットワーク (ENTSO-E)、ヴァンダービルト大学、電力研究所 (EPRI) と協業して、オープンソース技術を活用しエネルギー転換を促進することを光栄に思います。世界中の開発者と組織を、このエキサイティングな新しい取り組みへの参加にご招待します。Linux Foundationの技術・運用ガイダンスにより、LF Energyは堅牢で安全で革新的なソリューションを迅速かつ効果的に提供する持続可能なエコシステムを形成します。LF Energyの目標は、ステークホルダーのビジネス ゴール前進を支援し、地域および世界経済を強化し、再生可能エネルギーとグリッドの近代化を向上させるために、できるだけ速やかに価値を提供することです。」
LF Energyは、エネルギー エコシステムをプラットフォームやソリューションに採用できるプロジェクト コミュニティを通じて、再利用可能なコンポーネント、オープンAPI / インターフェースをキュレーションすることにフォーカスする予定です。エネルギー会社とソリューション プロバイダーが共通のインフラストラクチャを使用することで、両者はより高価値なレイヤー / サービスで差別化ができ、一方で差別化しないレイヤーではコストと統合の複雑さを軽減します。その結果、電力システム プロバイダーは市場投入までの時間、スケール、効率性をかつてないスピードで達成することができます。
重要な事実、背景、支援パートナーについて (コメントは原文のまま)
RTEは、フランスの送電系統運用者 (TSO) で、ヨーロッパ最大の送電事業者です。
“RTE is thrilled to be a founding member of LF Energy because we believe it is essential for creating forward-thinking grid solutions,” said Olivier Grabette, Executive Vice
President and Member of the Executive board. “Shared open development is fundamental to enabling smart power for the benefit the global economy and the energy landscape of the future. RTE is proud to contribute three significant projects to the LF Energy ecosystem, and we look forward to working closely with The Linux Foundation and the open source community to make our systems smarter and more secure.”
ヴァンダービルト大学はナッシュビルにある私立研究大学で、ソフトウェア統合システム研究所ではサイバー フィジカル システム分野の研究を行なっています。
“Vanderbilt’s Institute for Software-Integrated Systems has a long track record in building various open source software tools and this is an exciting cross-sector collaboration,” said Gabor Karsai, Associate Director of the Institute. “This initiative will allow us to share our research results with the open source community and facilitate technology transition to industry.”
欧州送電系統運用者ネットワーク (ENTSO-E) は、ヨーロッパ36カ国、43社の送電系統運用者 (TSO) で構成されています。
“ENTSO-E sees the potential for community and collaborative action that the LF Energy initiative offers to pool skills and knowledge in new strategic digital areas,” said Laurent Schmitt, Secretary General, ENTSO-E. “ENTSO-E recognizes the benefits of open source and shared development to develop agility in future digital developments, which is key for ENTSO-E and our TSO community. We have established a first liaison with LF Energy as a strategic option for meeting ENTSO-E’s and the European TSOs’ commitment to a cost effective and secure energy transition. We are pleased to be part of this global announcement.”
電力研究所 (EPRI) は、米国および国際的な公益のための研究、開発、実証プロジェクトを実施しています。メンバーシップは、米国の電気事業収入の約90%を占めており、35カ国以上に参加が拡大しています。
“The Electric Power Research Institute believes a collaborative, innovative, and objective approach is necessary to tackle many of the opportunities ahead for maintaining a safe, reliable, affordable, environmentally responsible, and integrated electric power system,” said EPRI Vice President of Integrated Grid Mark McGranaghan. “This effort will continue to foster that spirit of collaboration, bringing multi-national perspectives to the table to inform globally-impactful work toward our respective and complimentary missions.”
RTEは、The Linux Foundationに3件のLF Energyプロジェクトをコントリビュートし、ヴァンダービルト大学はResilient Information Architecture Platform for Smart Grid (RIAPS) アプリケーション技術をLF Energyに移行します。これらのプロジェクトは、TSO、分散システム運営者、アグリゲーター、ユーティリティ事業者、ベンダー、エネルギー部門のステークホルダーのためのオープンソース エコシステムの構築に役立ちます。
新LF Energyプロジェクトの詳細
- OperatorFabricは、電気、水道、その他のユーティリティ事業で使用するシステム オペレーターのためのスマート アシスタントです。業界での強みを持ち拡張可能で柔軟なグリッド運用プラットフォームは、アプリケーションへのモジュラー アプローチ、簡単に追加できる新機能、オープンAPIなど、情報の戦略的管理を提供します。
- Let’s Coordinateは、OperatorFabricの拡張可能なソリューションで、国や地域の境界を越えて分散したユーザー間の組織的な電力システムの調整、可視性、通信、ワークフローを可能にします。
- 再利用可能なモジュラー コンポーネントのThe PowSyBl Frameworkは、システム拡張調査から計画・運用まで高度な分散型のエネルギー資源環境におけるグリッド モデリング (例 : CGMES) やシミュレーションを可能にする高性能コンピューティング プラットフォームです。
- The Resilient Information Architecture Platform for Smart Grid (RIAPS) は、効果的で安全かつパワフルな分散アプリケーションを構築するためのコアサービスを提供します。ヴァンダービルト大学のソフトウエア統合システム研究所で作成され、ノースカロライナ州立大学とワシントン州立大学の支援と、米国エネルギー省高等研究計画局 (ARPA-E) からの資金提供を受け、RIAPSは、業界標準であるAndroidやApple iOSのようなプラットフォームで動作するスマートフォンアプリと同様に、スマート グリッド コントロール ソフトウェアの確実な運用を可能にします。
ハードウェア / ソフトウェア / UI / サービス / アプリケーションのサプライヤーは、エネルギー転換を促進するLF Energyの一環としてこれらの独立した技術プロジェクトに協力して取り組みます。LF Energyの詳細および参加方法は、こちらをご覧ください。
The Linux Foundationについて
The Linux Foundationは、オープンテクノロジの開発や企業展開を加速するエコシステム構築のための組織として、世界のトップクラスの開発者や企業から選ばれています。The Linux Foundationは世界中のオープンソース コミュニティと協力して、史上最大の共有技術投資を作り出すことにより、難解な技術問題を解決しています。2000年に創設されたThe Linux Foundationは、ツール、トレーニング、イベントなどを提供することでさまざまなオープンソースプロジェクトの成長を助け、企業単体では実現できない経済効果の創出に寄与しています。詳細については、www.linuxfoundation.org を参照してください。
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The Linux Foundationはさまざまな商標を登録および使用しています。The Linux Foundationの商標一覧はこちらのページでご確認いただけます。LinuxはLinus Torvaldsの登録商標です。
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