東京エレクトロン デバイス株式会社 CN BU CN技術本部 プロダクト第一技術部 ソリューション技術グループ 熊谷敦文様
半導体及び電子デバイス(EC)事業やコンピュータシステム関連(CN)事業などを主に手掛けている東京エレクトロン デバイス株式会社。CN BU CN技術本部に所属し、コンピュータネットワーク関連業務を担当している熊谷様に、「認定Kubernetes管理者(CKA-JP)」の受験の経緯や学習方法などについてお伺いしました。
Linux Foundation (以下、LF) : まずは、簡単に熊谷様がご担当されている業務について教えていただけますか?
熊谷様 : 当社には、半導体及び電子デバイス(EC)事業とコンピュータシステム関連(CN)事業の商社機能とメーカー機能を有するプライベートブランド(PB)事業があります。私はCN事業のCN BUに所属しています。CN BUでは、セキュリティ、クラウド、ネットワーク、ストレージなどのITソリューションを導入からサポートまでを一貫してお客様に提供しています。CN BUの中でも私は、プロダクト第一技術部に所属しており、そこでは主にF5製品を取り扱っています。プロダクト第一技術部では、プリセールス、導入・構築作業、ヘルプデスクや保守サポートを提供していますが、私はプリセールスエンジニアとして日々業務をしています。
LF : プリセールスエンジニアの業務の中で、Kubernetesの技術もかかわっているのですか?
熊谷様 : そうですね。F5が新しいSaaSのソリューションをリリースしているのですが、その中でKubernetesの技術が使われていたりします。また、プリセールスエンジニアの業務には、新規サービスなどの企画・検討もあり、その中でKubernetesの利用を検討したりもします。あとは、社内で先行して検証することでKubernetesのナレッジをためるという業務もしています。
LF : 熊谷様の担当業務で、Kubernetesをどのように活用しているのですか?
熊谷様 : F5製品の検証をするためにKubernetesを利用しています。
もともと私自身は、ネットワークエンジニアなのでKubernetesは担当業務とは、全然違う分野でした。きっかけは、F5製品の中でKubernetesと連携するソリューションというのが、4、5年前に出てきたことです。ちょうどKubernetesという言葉が国内でもちょっと流行り始めた時期で、我々としても新しい技術なので積極的にとり組んでいきましょう、ということになったのでKubernetesをちょっと勉強しはじめていたところです。
LF : 4、5年前からKubernetesを取り入れているということでしょうか?
熊谷様 : はい。Kubernetesと連携する、またはKubernetesの技術を使っているSaaSのソリューションがリリースされてきているので、それらを検証するためにKubernetesを取りいれました。
LF :「認定Kubernetes管理者(CKA-JP)」はいつごろ取得したのですか?
熊谷様:3年くらい前になります。
LF : この認定試験を受けようと思ったきっかけは何ですか?
熊谷様 : 自分がメインで担当しているF5と連携するソリューションがでてきたときに、結構Kubernetesってネットワークエンジニアからすると、新しい概念ばっかりで、ちょっとかじったくらいで連携するソリューションを理解したりするのは難しいなと思ったので、これを機会に基礎的なことから勉強してみようかなと思ったのがきっかけです。
LF : 受験するにあたって、どのように勉強したのですか?
熊谷様 : 1番最初は、Linux FoundationのトレーニングパートナーであるCreationlineさんのKubernetesトレーニングを受講しました。その後で、手を実際に動かさないとだめだろうと思い、Udemyで「Certified Kubernetes Administrator (CKA)」をとるためのコースを受講しました。あとは社内にAWS、Azure、GCPなどの環境があったので、手を動かしながら学びました。
LF : この認定試験を取得するメリットはどんなところにあると思いますか?
熊谷様 : 当時は、まだみんながもっている資格ではなかったので、とっておけば、いろんなところで有利かなと思いました。また、今はKubernetesの技術は色々なところで利用されているので、取っておいて損はない資格だと思っています。
LF : 具体的に勉強を開始してから、受験までの期間はどのくらいかかりましたか?
熊谷様 : 2か月くらいかかりました。厳密にいうと2か月より前から、勉強サイトやドキュメントを眺めたりはしていたので、もっと長い期間使ったというほうが正しいかもしれません。ただ、少なくとも試験の2か月前からは、実際にKubernetesクラスターの構築をしたり、コマンドを打ってみたり、過去問を受けてみたりと、かなりの時間を費やして勉強しました。日常的にKubernetesに触れる業務ではなかったので、覚えておかないといけないコマンドもあり、長い期間を掛けると忘れてしまうかもという不安もあったので、集中的に勉強をしました。
LF : Kubernetesを勉強するにあたって、苦労したところはありますか?
熊谷様 : コマンドラインでの操作やyaml形式のコードで設定することです。今まで扱っていた製品はWeb UIでの設定やシンプルなコマンドラインベースでの設定だったため、Kubernetesの操作方法は難しく感じました。特に私はネットワークエンジニアなので、コードを書いてアプリケーションをデプロイすることもないので、この部分になれるまでに非常に苦労しました。
LF :「認定Kubernetes管理者(CKA-JP)」に合格してから、熊谷様ご自身や会社に変化はありましたか?
熊谷様 : この認定試験は、他のベンダー試験と違って、自分でコマンド打ったりとか、クラスターを構築したりとか、実践的な試験内容だったので、Kubernetesを実際に触れるようになりました。もちろん、まだ完璧ではないですが、試験勉強がそのまま業務に繋がっているように思えましたので、他のベンダー資格よりも取得することに意味がある資格だなと感じました。
LF : この認定試験はどのように業務に役に立ちましたか?またはどうのように業務に生かしていますか?
熊谷様 : この認定試験を受験するための勉強が業務そのものに役立っています。
グループ内での認定者は現在一人ですが、今後、他にも受けようとしている人が何人かいます。
今担当しているSaaSソリューションにKubernetesが使われている部分があるので、積極的に業務に取り組むきっかけになりました。
LF : 熊谷様の今後のキャリアにどのような影響を与えていると思いますか?
熊谷様 : 新しいソリューションに積極的に取り組むことができる、視野が広がり自分の担当製品以外にも目を向けられるようになったことかなと思います。最近ではKubernetesの技術が一般的になり、様々なところで使われるようになってきていると思いますが、Kubernetesに関連した技術や製品に対して、以前よりも苦手意識を持たずに向き合えることができ、検証等にも積極的に取り組めるようになったと思います。
LF : 熊谷様の今後のキャリアのステップアップについてお聞かせください。
熊谷様 :「Kubernetes認定セキュリティスペシャリスト(CKS-JP)」をとりたいと思います。セキュリティ系はどのような分野であってもみなさん注目しているところですし、コンテナのセキュリティってなんだろうなと、いう興味もありますので。試験勉強すれば見えてくるのかなというのもあるので、「Kubernetes認定セキュリティスペシャリスト(CKS-JP)」をチャレンジしてみようと思います。
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