新たなプロダクションレディ版フレームワークが Linux Foundationのオープン ビジネス ブロックチェーン コンソーシアムからリリース
2019年5月6日サンフランシスコ発 ー ブロックチェーン技術の進化を目指して発足したクロスインダストリ共同開発プロジェクト Hyperledger は、Hyperledger Iroha 1.0 の一般提供 (general availability) を発表しました。Linux Foundation がホストする Hyperledger Iroha は、Hyperledger Fabric、Hyperledger Sawtooth、Hyperledger Indy に続いてバージョン1.0に達する4番目のアクティブな Hyperledger プロジェクトです。Iroha は、C++とモバイル アプリケーション開発者がHyperledger にコントリビュートできる開発環境を提供することを目的とした分散台帳プロジェクトです。
Hyperledger Iroha 1.0 の新機能
- YACコンセンサス – ある程度のノードが不具合や信頼性に欠ける場合でも元帳の安全性を確実にするためコンセンサス プロトコル。プロトコルはピア ネットワーク サイズに合わせて変化。
- マルチ シグネチャ機能 – アプリケーションが取引の実行に複数の署名を必要とする場合のオプション。
- 更新版クライアントライブラリ – Java (Android、Scaleなどとの互換性あり) 、JS、Python、iOSなど、多くの異なるプログラミング言語を使用して、モバイルからメインフレームまで多くの異なるプラットフォーム上でアプリケーションを作成するためのサポート。
- Windowsサポート (experimental) – Hyperledger Irohaは、現在LinuxとMacOS環境だけではなく、Windows上でもネイティブに動作。
Hyperledger のエグゼクティブ ディレクターである Brian Behlendorf は、次のように述べています。
「Hyperledger のアクティブなプロジェクトがまた一つ1.0のマイルストーンに達することを大変嬉しく思います。これは、成長するコミュニティによる強力なコラボレーションの大きな証です。Hyperledger Iroha関連の開発活動が拡大し続け、今年後半には同フレームワークを使用した本番システムがますます増えていくことを期待しています。」
Hyperledger Irohaは、ファイナンスとアイデンティティ管理におけるモバイルでの利用を想定したユースケースのための代替設計ソリューションを提供することにより、他のHyperledgerプロジェクトを補完します。Hyperledger Irohaは、使いやすいAPIと普遍的なピアモデルを提供することで、ブロックチェーン ビジネス アプリケーションの実装を簡略化するという長期的なビジョンを持っています。Hyperledger Irohaは、Hyperledgerテクノロジを使用している他のプロジェクトに追加できるモジュラアーキテクチャを備えており、既存のアプリケーションを強化する再利用可能なコンポーネントの堅牢なライブラリを提供します。
世界中のHyperledger Irohaコントリビューターは、Meetupやブロックチェーンイベントに参加し、大学と協力し、一連の質問に会話で答え、人々がフレームワークについて学んだり使用することを支援しています。誰もがこのオープン コミュニティへの参加に招待されています。
Hyperledgerは、組織がそれぞれの商取引をサポートするための堅牢で業界に特化したアプリケーション、プラットフォーム、およびハードウェア システムを構築できる分散台帳テクノロジーの作成を目指しています。金融、ヘルスケア、IoT、クレジット カード サービス、サプライチェーン、航空など、さまざまな業界から270以上のメンバーが参加しています。
Hyperledger Iroha 1.0 ドキュメントは https://iroha.readthedocs.io/en/latest/ をご覧ください。「Getting Started」ガイドに従い10分で Hyperledger Iroha ネットワークを作成できます。
コミュニティの声 (原文) :
“The release of Hyperledger Iroha 1.0 is a significant milestone for this vibrant community and the enterprise blockchain space,” said Makoto Takemiya, CEO, Soramitsu. “As a core contributor to the project, we are very excited to see the Hyperledger Iroha team reach this milestone and continue to build upon the diverse DLT ecosystem developing under the Hyperledger greenhouse.”
“We are very excited about the release of Hyperledger Iroha 1.0 because it offers an out-of-box solution for implementation of blockchain networks to mobile devices,” said Yasir Azeem, Head AI and Blockchain from Ikioo. “With the combination of scalability and a permissioned Blockchain, Hyperledger has built something worth commending.”
“Global business is always terrific, and we had looked for the solution that fits our requirements in terms of a solution that is 100% open-sourced, oriented to specific needs of our task: account management, and KYC and supportive in terms of community,” said Alexander Yakovlev, NSD. “Iroha’s existing adoption experience in several countries and practical case with Cambodian central bank were additional benefits.”
その他の資料 :
- Hyperledger Iroha 1.0 ダウンロード
- Hyperledger Iroha 1.0 について、詳細をブログで読む
- github、チャット、wiki、メーリング リストでHyperledgerコミュニティに参加する
- Hyperledger Twitter、Facebook、LinkedIn、YouTube channel
Hyperledgerについて
Hyperledgerは、分散台帳技術の業界の壁を越えたオープンスタンダードのための重要機能に取り組むことにより、ブロックチェーン技術の進化を目指して発足したオープンソース共同開発プロジェクトです。金融、銀行、IoT、サプライチェーン、製造、技術などの分野のリーダー企業も参加するグローバルコラボレーションです。Linux Foundationは協業プロジェクトとしてHyperledgerをホストしています。詳細は https://www.hyperledger.org/をご覧ください。
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